2万円くらいでソーラーシステム自作してみたけど、今のところ思ったほど捗っていない件
工業高校の電気科卒の僕ですが、10年以上電気に関する基礎知識を活用することもなく、のうのうとインフラの恩恵を享受してきました。そんな僕が、ちょっとしたアレをきっかけに、ソーラーシステムに興味を持ったのは2年近く前のこと。
「独立国家のつくりかた(坂口恭平)」という本を読んだ
坂口恭平という人間の「独立国家のつくり方」という本を読んで、非常に興味深いと感じた。ホームレスの家(?)の建築技法を転用した「モバイルハウス」、そこに導入されるソーラーパネル、ホームレスの生き様等など・・・
およそ普段着目することのない「ホームレス」という存在から派生し、様々な視点を与えてくれた。おそらく、小馬鹿にする人間もいるかと思うし、実際浅薄なきらいも無いとは言いきれないが、それでもこの本は新しい視点を得るにはもってこいの一冊だった。
ソーラーシステムをとりあえずつくってみる
そんなことから、いつか自前のソーラーシステムを構築しようと考えていた。そして2万円ほどを使って、ようやく先日ソーラーシステムを構築したので、電材の購入から構築、その後の状況までざっくり説明していこうと思う。
ちなみにタイトルにもあるとおり、きっかけが衝動的だったことや、電気に関する知識の9割がたが忘却の彼方に消えていたこともあって、思ったほど現状は芳しくない。
まずamazonで色々購入
ソーラーパネル
お馴染みのいわゆる「太陽電池」といわれるやつ。
ソーラーパネル 20W 単結晶 太陽光パネル が4480円で売られていたので、ポチッと購入。激安。
しかし、こいつは出力が小さすぎるので、後々増強する必要があると感じている。
チャージコントローラ
過充電・過放電を防ぐ、司令塔のようなもの。
電菱 太陽電池充放電コントローラー Solar Amp B 10A/12V SA-BA10
amazonには他にも同様の製品が色々と並んでるけど、このチャージコントローラは特に重要な電材。ここは多少値が張っても国産品を購入しておいた方が良いと判断した。
蓄電池
ソーラーパネルで発電した電力を蓄積しておくためのバッテリー。
LONG 12V 12Ah 高性能シールドバッテリー wp12-12
安いし小さめで悪く無いんだけど、用途(ノートPC)に対して容量が小さすぎて、正直言うとこれは失敗だった。
LED電球を灯すとかタブレットを充電するくらいなら、これで十分かと思われる。
インバータ
車でコンセントが使えるようになるっていうアレ。
セルスター(CELLSTAR) パワーインバーターミニ(DC12V専用) HG-150/12V
基本的に今回構築したソーラーシステムは車の電装系とほぼ同様(12V)なので、電力の取り出しにはシガーソケットを使う。
しかし、ノートPCのACアダプタは100V/ACを期待して作られているので(変圧して直接DCを取り出すってのも無くもないけど億劫だったのでやらなかった)、コンセントを使うために購入。効率が70~80%くらいになってしまうけど、そこは仕方なしと諦めた。
ケーブル類
各種電材を購入して満足していてはダメで、それらを接続するケーブルが必要なので、購入。
まずはソーラーパネルとチャージコントローラを接続するケーブル。
ソーラーパネル 延長ケーブル 5m MC4コネクタ 2本セット 太陽光パネル
そしてチャージコントローラとバッテリーを接続するケーブル。
チャージコントローラー⇔バッテリー間 接続ケーブル 1.5m 1.25sq 丸型端子タイプ
最後に、負荷となる電気機器を取り付けるためのケーブル。
やた!電材が自宅に届いた!いざ結線!!!
3日程度で各種電材が届いた。
実際の結線図はこんな感じ。
実際にはスムーズに行かず、いくつかの苦労を乗り越えた部分があるので、それについてもざっくり紹介する。
ソーラーパネル~チャージコントローラの結線
まず、ケーブルに圧着済みのMC4コネクタは不要だった。というのも、ソーラーパネル側は裸線をそのまま噛ませて接続するタイプの端子になっているため、成人男性の親指ほどもあるこのコネクタは邪魔でしかなかった。しかたがないので、コネクタ部分をニッパーで切り落とし、カッターナイフを使って8mmほど裸線を露出させることで接続できるようになった。
さらに、ケーブルが太すぎた所為で、ソーラーパネル側の端子ボックスのケーブル引き込み口と干渉する。どうやっても1本しか通らない。やむを得ず、引き込み口をニッパーで富士山型に切り抜いて、2本のケーブルが通るようにした。
どうにかこうにか、これでソーラーパネルとチャージコントローラの結線ができた。
チャージコントローラ~バッテリーの結線
一見そこまで難易度の高いものではないのだが、自動車の電装系に不慣れな人間には「最も鬼門」とすべき箇所である。というのも、バッテリーの扱いについて、一応事前の知識を必要とするからだ(まあ、ググればいくらでもででくるものではあるが)。それはたった1つの鉄の掟であり、破ると、物理的に火花を散らす可能性があるというものである。その掟というのは、
- 接続時は最初に+極から接続し、切断時は-極から切断する
というものである。要するに、常に-より+が長く接続されているべき、ということだ。
さて、実際に接続しようと思ったものの、バッテリー側の端子と、ケーブル側の端子(丸形端子)の規格が異なっており、そのままでは接続できなかった。
しばしグーグル先生に教えを乞うてから、ホームセンターでエーモン 平型端子と圧着工具を購入。カッターナイフを駆使して丸形端子を切り落とし、平型端子を圧着する。あとはチャージコントローラとバッテリーを接続するのみ。
チャージコントローラとソケットおよびインバータの結線
これについては実はさほど難しくなかった。単純にチャージコントローラの負荷側にソケットを接続すれば、あとは車のシガーソケットにインバータを接続するのと何らかわりはない。
実際に電力を取り出して利用してみる
既にある程度バッテリーには蓄電がされている状態なので、これを使ってみる。
単純にインバータのスイッチをonにし、そのままコンセント部分にノートPCのACアダプタを接続すると・・・
当たり前なんだけど、特に大きなトラブルもなく給電されている。自分で用意した仕組み(つっても、amazonから衝動買いしただけなんだけど)で、電力を手にすることができた。
しかし、問題発生!
6時間ほど試運転させていたところ、ノートPCの充電アイコンがバッテリー使用中アイコンに変わった。どうやらディープサイクルバッテリーの電力量が残り少ないらしい。実際、チャージコントローラは「バッテリー電圧低下」の警告を出している。この時僕は「まあ3日待てば充電されるだろう」などと思っていた。
だがしかし、そのような安直な思考は脆くも破られ、2週間近く経過した現在でも「バッテリー電圧低下」警告は解除される気配がない。
ソーラーパネルからの供給電力量が低すぎる?
あまりにも充電速度が遅々としている(もしくは充電されていない?)ので、念のため通電チェッカーを使って電力供給があるか確認したところ、ちゃんと電力は供給されている様子だった。しかし、肝心の発電量が見えない。
今後の課題として、モニタリングの仕組みが必要だということがわかった(当たり前すぎる)。できれば、以下の物を準備した方がはかどるのであろう。
12v 電流計
ソーラーパネルからの発電量をモニタリングするため。
12vセンター 直流電圧計
中央値が12vの直流電圧計。バッテリーからの供給電圧をモニタリングするため。
テスター
なんで用意してないのかと小一時間(ry